2024年パリ五輪の予選シリーズ上海大会に出場した日本人選手の内、20歳未満の4人の選手が飲酒したとして話題になっています。
本記事では処分の内容や法律的にはどうなのかについて触れています。
処分の内容は?
通常、日本の法律では「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」により20歳未満の飲酒が禁止されています。
今回は20歳未満の4人の選手が飲酒を行っていますが、監督も含め、その処分の内容はどのようになっているのでしょうか。
一般社団法人ワールドスケートジャパン(以下WSJ)の公式発表では以下の通りの処分が行われました。
1.対象者:(1)監督 西川 隆(以下「西川監督」といいます)
選手 男子2名 女子2名2. 処分対応 監督 戒告
https://worldskatejapan.or.jp/wp-content/uploads/2024/06/2024-WorldSkateJapan-Skateboard-0616.pdf
選手 口頭での厳重注意2 名 、口頭での注意1名、不問1名
「戒告」とは口頭や書面での厳重注意であり懲戒処分の中で最も軽いものです。
選手の処分が複数に分かれているのは飲酒の程度が「飲酒、なめた程度、誤飲」と分かれているためと考えられます。
又、スポンサースタッフから中国では18歳以上が飲酒可能との説明があったようなので、そういった諸事情を考慮して処分を決定したようです。
日本の法律が適用されるの?
今回、処分の対象となった4人の選手ですが、日本の法律が適用されたのでしょうか?
日本の法律の適用範囲は以下の通りです。
- 日本国内(領土内)
- 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内
- 日本国外における一部の行為
これらが刑法第一条などで定められているのですが、その中に「20歳未満の飲酒」について書かれたものはありませんでした。つまり日本の法律の適用外ということです。
尚、中国の法律(未成年者保護法)では2006年に18歳未満への酒類の販売が禁止されていますが、飲酒の年齢については決まりが無いようです。
処分された理由は?
それではこの4人はどのような理由で処分されたのでしょうか?
再度、WSJの公式発表を見ると以下のような記述がありました。
WSJが定めた日本代表及び強化選手規程(以下「代表選手規程」といいます)に対する違反行為(20歳未満の飲酒、以下「本件処分対象行為」といいます)が確認されました。
https://worldskatejapan.or.jp/wp-content/uploads/2024/06/2024-WorldSkateJapan-Skateboard-0616.pdf
つまりWSJの規約に違反したため今回の処分が行われたようです。
結局、飲酒したのは誰?
公式には公表されておらず、各記事を読み漁った限り、特定できているものはありませんでした。
「18歳以上は飲酒が出来るとの説明を受けていること」や「飲酒の程度と処分の内容」からある程度の予測はできると思っていますが、本記事は個人を特定することを目的とはしていないため割愛します。
最後に
今回はスケートボードのパリ五輪の予選大会後に起きた20歳未満の選手の飲酒について、主に法律の観点から書きました。
- 処分内容 監督:戒告 選手:厳重注意2名、注意1名、不問1名
- 中国での出来事により日本の法律は適用外
- WSJの規約に基いて処分されている
- 飲酒をした個人名は公表されていない
この記事では上記のようなことが分かりました。
パリ五輪に限らず世界大会に出場する選手には各国の代表であるという自覚と誇りを持って挑んで欲しいです。
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