感想・ネタバレ有『竜とそばかすの姫』を100倍楽しむ方法

後半の展開で意見が分かれる作品ですが、
私は泣くことができたし良い作品だと思います。

そんな私が気付いた「竜とそばかすの姫」の
楽しみ方を教えます。

これから見る人だけでなく既に見た人が
もう一度見るきっかけになると嬉しいです。

ただし本記事にはネタバレを含みますので
これから見ようとしている人は要注意です。

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概要

2021年に劇場で公開された細田守監督のアニメーション映画。

幼い頃に母親を事故で亡くした女子高生のすずが
インターネット上の仮想世界「U」で竜というAsと出会い、
本来の自分を取り戻していくストーリー。

ディズニー作品の美女と野獣をモチーフにしている。

『竜とそばかすの姫』=(インターネット社会+日本)×美女と野獣

という印象を受けた。

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語句の説明

U

全世界で50億人が参加し、尚も参加者が増え続けている仮想空間。
耳に装着したデバイスが使用者の生体情報を常時スキャンしているため、
1人1Asしか所有できない。

As

Uの世界での自分の分身。
スキャンされた生体情報から自動生成される。
Uの世界ではボディシェアリング技術が採用されており、
視覚や各認知機能、身体主体感、身体所有感などが
自身のAsと共有される。

ボディシェアリング

玉城絵美さんが目指す世界『ボディシェアリング』の可能性についての考察
をご参照ください。

アンベイル

英語で「unveil」
秘密などを明らかにするという意味。
作品の中では、対象のAsの見た目を現実世界での姿に変える、
つまり正体を暴くという意味で使用されている。

48時間ルール

児童相談所への通告があった際、原則48時間以内に
当該児童の安全確認を実施するという全国ルール。
通告の件数は年々増えており、このルールが守られていない事例も存在する。
作品の中では「48時間必要」との誤解を与える表現になっているが、
実際はそれよりも短時間で対応できている。

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本作品の見どころ

UとOZの比較

本作品の仮想世界「U」とサマーウォーズの仮想世界「OZ」の比較です。

項目 U OZ
参加人数 50億人以上 10億人以上
分身名 As アバター
姿 自動生成+着せ替え 自由に設定可能
操作方法 ボディシェアリング キーボードやコントローラなど
能力・権限 隠された能力を無理やり引っ張り出す 現実世界と同じ権限を持つことができる
セキュリティ 生体情報をスキャンしているため
おそらく高度
高度だが作品の中では問題発生

 

約95%が参加するUの世界

50億人以上が参加しているとされるUの世界。
一体何割の人がこの世界に参加していることになるのか、
おおまかに計算したいと思います。

2021年の世界の人口は約78億7500万人と言われているため、
世界人口の約63.5%が参加している計算となります。

しかし少し視点を変えると数字は大きく変化します。
2021年の世界のインターネット人口は約52.5億人。
これを基準に考えると約95.2%が参加していることになります。

いかにUの世界が大規模かわかりますね。

50億分の2の奇跡

Uの世界には50億ものAsが存在する。
その中の2人が出会うのが今回のお話。

それだけでもすごい確率なのに、
その二人が実は日本人だった。
それだけで後半のすずの行動には納得できました。

わざわざ人の家庭のことに首突っ込むなよとか、
周りの大人が阻止しないとか色々問題はありますが、
あの母親のこどもであることを考えると、
仕方ないのかなぁという気持ちになります。

これが国境を越えての出会いだったら、
さすがに父親が止めるか同伴して欲しいですね。

ヒロちゃんのスペック

このお話の名脇役であるヒロちゃん。
主人公すずの親友でありながら、
本人の能力も使用するPCもハイスペックな存在。

能力としては、すずに対する毒舌を始め、
ベルのプロデュース、地元の銀行家一族の家系、
物理の先生が書き残した難問にも解答できる知性、
他人の家の前のライブカメラを数ヶ月に渡り確認する
行動力と技術力等々、普通の女子高生とは思えない
能力を発揮しています。

又、そのPCもかなりの高性能と思われ、
自宅では3モニター+ノートパソコン、
自習室では4モニター+ノートパソコンの組合せで使用。
ブラウザークラッシュをものともせず、
数百のブラウザを同時に開いても快適に動作。
サマーウォーズのパソコンよりもかなり高性能と思われます。

そんなヒロちゃんに注目してみるのも本作の楽しみ方の1つです。

その他

冒頭でのルカちゃんの動き

吹奏楽部の演奏中、カミシンが登場した際に
目を背けてしまうルカちゃん。
あんなに賑やかな人が登場したら関わりたくなくて
目を背けるよなーと思ってたら、途中で回収されました。

ライフジャケットを着ている

冒頭の回想シーン。
すずの母親が着けていたライフジャケットを
中州に取り残された女の子が着ていた。
すずの母親は無駄死にではなかったようです。

ベルのおでこに赤い点

すずが橋の上でつまずいた時に
ベルのおでこに赤い点が表示された。
生体情報がすぐにベルにも反映されたようです。

電話番号

自習室を借りる時の用紙に11桁の携帯番号が記入されています。
果たして誰につながるんでしょうね……。

ヒロちゃんのパソコンの置き方

自宅ではケーブルをつなげる方が前を向いていたのに、
自習室ではケーブル側を後ろにして置いていた。

モニターケーブルの位置関係の問題なのか……
自宅ではよくケーブルを抜き差しするからなのか……

まさか作画ミスではないと思うけど。
きっとヒロちゃんなりのこだわりがあるんだろうなー。

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最後に

本作品は前情報としてネット上で感想を確認してから視聴。
調べ方が悪かったのか、あまりいい印象を持っていなかったのですが、
実際に見てみると印象は180度変わりました。
今では好きな作品の1つになっています。

将来的にUの世界のような空間ができることに期待するとともに、
すずのような行動力を身につけた人になりたいと思いました。

現実ではやり直せなくても、世界を変えることは可能なので
想いが実現するその日まで頑張ります。

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